今でも、鮮明に残っている聖杯戦争での記憶
自分がマスターになったばかりに関係の無い藤ねぇ
を危険な目にあわせ、更に俺が未熟なばかりに
セイバーに自分のマスターを斬りつけるという
屈辱を味合わせてしまった
その中でもイリア、彼女の事は印象深く覚えている
目の前で殺された無邪気な少女
もう少し早く俺が助けに入れば助けられたはずの少女
今度こそ必ず助けてみせる
それが俺が「正義の味方」でいる為に必要な事
俺は一振りの剣の鞘に誓う
今度こそ彼女を助けてみせると









































アンサー 第十話/運命の再会



「シロウ、此処は・・・」
今、俺達はアインツベルン城の前に居る
聖杯戦争の際、何度も訪れたこの場所
イリヤがギルガメッシュに殺された場所
未来の自分との決着を着けた場所
「今日此処に来たのは、遠坂達に言っておきたい
事があったからなんだ」
「行っておきたい事?」
「ああ、昨日遠坂達に話したのとは別に、もう一つ
あいつから聞いた事があるんだ」
俺はイリヤが殺された時にバーサーカーと同じように作った
お墓に手を合わせた
「知り合いのお墓ですか?」
「・・・・それは」
「此処はイリヤとバーサーカーのお墓だ」
俺はお墓に手を合わせながらセイバーに答えた
「イリヤフィールとバーサーカーの?」
「セイバーがキャスターに取られた時にイリヤに協力を
仰ぐ為に来た時にギルガメッシュに殺されたんだ」





「・・・・そんな事が」
セイバーにその時の状況を説明し終わったセイバーが
そんな言葉を呟いた
その言葉には、今でもキャスターに囚われた事への
後悔が判るようなそんな声だった
「それで士郎、此処に来たって事は
イリヤに関係のある事話って事よね」
「ああ、昨日この町にまだ聖杯が存在している事は話したよね
でもその理由に付いては話してなかったんだ」
「理由?」
「本来聖杯がこの世界に現界するには、寄り代が必要なんだけど
その寄り代にはイリヤがなるはずだった」
「しかし、イリヤスフィールは死んでしまった」
「そう、そして代わりの寄り代にされたのが慎二」
「でも、セイバーは確かに聖杯を破壊したわ」
「その破壊した聖杯は代わりの寄り代で現界した不完全な聖杯
なら本来聖杯の寄り代になる者を用意したとしたら」
「まさか!・・・でもイリヤは」
「そして、これが昨日遠坂達に言わなかった最大の理由なんだけど
イリヤは・・・ホムンクルスだったらしい
更にイリヤは別の身体に入れられて生きているらしい」
「そんな!」
遠坂たちもこの事実を知って言葉をなくしている
「今日セイバーにも此処に来てもらったのは
此処で遠坂と一緒に俺の決意を聞いて欲しかったからなんだ」
「決意ですか?」
「ああ・・・・投影開始」
俺は、セイバーに返事をし
あいつとの誓いに使ったあの剣を投影する為に
自らの魔力回路に魔力を流す
「士郎!何を」
「待ってください凛!」
セイバーが俺を止めようとする遠坂を止まらせる
しかし、今の俺には関係の無い事
今の俺のする事は一つだけ
あいつとの誓いに使ったあの剣を投影するのみ
それ以外は必要無い
剣の構造を、培ってきた歴史を、その剣を持つ者の思いを
自らの魔力を通して再現する
「がああああぁぁぁぁ」
魔力の暴走を感じる
度の過ぎた投影は自分の身を縮める
しかし、今の俺なら、あいつとの思いを共有した今なら
可能なはずだ
ならば、この身に何があろうと問題無い
「がああああぁぁぁぁ」
「士郎!今すぐ投影をやめなさい」
「ああああああぁぁぁ」







次第に自分の視界が戻ってくる
そして右手には、剣の確かな感触
俺達の誓いの剣
その剣をイリヤの墓に掲げ
「俺は、この剣に誓って今度こそイリヤを救い出す」
「・・・・士郎」
「・・・・・・・」
この誓いこそが今の俺の正義の味方としての意思
「だから遠坂、セイバー俺に力を貸してほしい」
「そんなの当たり前じゃない
士郎一人じゃ不安だからね協力してあげるわ」
「・・・・・・・」
「セイバー?」
「・・・!はい
・・・私も我が剣に貴方の力になる事を誓いましょう」
そう答えたのセイバーの顔は、俺を通して
違う誰かを見ている
そんな感じの顔だった






「それにしても士郎、貴方いきなり
投影を使うなんて何考えてるの?」
「この剣が必要だったからね」
「その剣が?」
「ああ、これは俺とあいつが剣の丘で誓いを
交わした剣だからね」
あの剣の丘で、一振りの剣の鞘の前で
正義の味方になると誓った剣
「・・・・シロウ・・・その剣を何故」
セイバーが俺に剣の事を聞こうとした時
・・・殺気!
「セイバー!!」
掛け声と同時に自らの身体を横に投げ出す
俺の動作の後に槍が地面に突き刺さる
「ほぉ、今の一撃を避けるか」
この地面に刺さる赤い槍の使い手は俺達のよく知る
あいつだった









・・・続く


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